障がい者歯科Q&A
障害を持った方の歯科について
「あらゆる患者様に、安全・安心・質の高い歯科診療を提供する」
という診療コンセプトに基づき、障害を持つ方であっても健常者と同じレベルで質の高い診療ができるよう努力しております。
基本的にはどの患者様にも同じように対応しますが、障がい者の方の場合は全身状態にまで気を配り、安全面には特に注意をしております。
また当院では、障がい者も健常者も、老若男女が同じ待合室を利用します。待合室を一つの社会ととらえ、“共生”していくことが理想です。しかし共生していくための配慮は欠かせません。例えば、お子様の泣き声が苦手な自閉症の患者様には、小さなお子様を近づけないなど心掛けております。
車椅子で来院できますか?
当院では車椅子で来院していただくことができます。
診療室やトイレにも車椅子で入っていただくことができます。
親族が知的障害を持っていて、治療を怖がって暴れてしまいます。
実年齢が成人に達していても、障害によって発達年齢がこどもと同じレベルであることも多々あります。それを理解しながら、なぜ治療を怖がるのか、その原因を探ることからスタートです。もともと怖がりな性格なのか、過去に病院で嫌な想いをしたことがあるのか、などの原因を探ることで、その不安感を取り除くよう対応いたします。
ただし、急を要する治療が必要な場合は、ご家族と相談のうえ、全身麻酔を使った治療を行うこともあります。
障害を持った子の歯のことで、親が日常的に気をつけることはありますか?
障害を持つお子様のご家族は、それだけで毎日が大変かと思います。もちろんお口の健康を保つことは大切ですが、ご自身だけで抱え込まず、私たち専門医を上手に利用してください。
例えば、月に1度来院してプロの手によるクリーニングを受ける患者様もいらっしゃいます。このように個人の状態や生活に合わせたケアを行うだけでも状態は良くなります。
お口の健康のことで日常的に気をつけることも含め、もっと広い範囲でアドバイスできるノウハウがありますので、もっと気軽に私たちを頼っていただければ幸いです。
歯科に行くことが困難な方へ
身体に障害があり、歯医者に通うことが困難です。
当院では、医師と医療スタッフがご自宅や施設を訪問して歯科診療を行う「訪問診療」を行っています。通院が困難な場合、お口の中の衛生状態が悪くなりがちです。ご本人はもちろん、ご家族もケアをするのが大変になりますので、私たちを上手に利用していただければと思います。
訪問診療のルールなどはあるのでしょうか?
厚生労働省の定める「訪問診療」の範囲は、診療所から直線距離で16km以内と定められています。ただしこの範囲外にある方でも、お困りの場合は一度ご相談ください。
過去には、急激に退行現象が起こった20歳くらいの患者様が自宅から出られなくなったケースがありましたが、当院にご相談いただき、自力で通院できるまでに回復された例もあります。
訪問診療では、どんな診療をしてもらえるのでしょうか?
院内ほどの診療環境を実現するのは難しいですが、年々、訪問診療でできる歯科診療のレベルは向上しています。
訪問診療では、お口の中のクリーニングや虫歯・歯周病治療などをメインに行っています。